アコースティックギターに求められるものは、何でしょうか。
ジェームズテーラー、ポールサイモンみたいな華麗なフィンガーピッキング?
最近流行りの押尾コータローを筆頭にしたテクニカルなソロギター?
アコギで「やりたいこと」なら、人それぞれでいいけど、アコギに「求められていること」と言ったら、切れの良いストロークプレイだと断言できる。
アコギは、音階楽器であると同時にパーカッション的な側面も持つ珍しい楽器だけど、一般的にアコギだからこそ求められるのは「ザクザクとしたストロークプレー」、これに尽きますね。
その点「ゆず」は単純明快にストロークプレーに徹していて、気持ちいい。
アコギを始めると「ゆず」から入り、ある時「ゆずって単純でダサくね?」と離れ、結局ストロークの魅力を再認識し「ゆず」に戻る。
別にゆずである必要はないけれどね 笑。
ただ、ストロークフォームを考察するには、対照的なゆずの二人を比べてみると面白いと僕は思います。
今回は、ゆずの二人から見る、アコギのストロークフォームについて。
まずは、二人のフォームを見て欲しい。
【タッタ】
簡単に言うと、
・北川悠仁₍画面左₎はダイナミックなフォーム
・岩沢厚治₍画面右₎は動きの少ないフォーム
と言えますね。
先に結論を言うと、「二人を足して2で割るといいフォーム」だと、僕は思います。
・北川悠仁の良いところ … 肩がきちんと動いていて、リラックスしている
悪いところ … 手の振幅が大きくて無駄が多い
・岩沢厚治の良いところ … 手の振幅がコンパクト
悪いところ … 肩が動いておらず、やや窮屈
ギタリスト身体論(名著)によると、
一番省エネの効率的なフォームのためには、
① 肩から始動し₍少し肩甲骨を上げる₎
② 重力を利用して振り下ろす
とあります₍うろ覚えですが₎。
上記の点で、北川悠仁のフォームは優れていると言えます。
一方、「手の振幅は1~6弦幅で十分である」というのが僕の持論です。なぜなら、大きな動きはテンポの上昇時にもたついたり、スタミナ切れを起こしたりするから。
あとは、高音弦・低音弦の弾き分けや、単音弾きなんかを交えることを考えると、フォームはコンパクトな方がスムーズに移行できます。
この点において、岩沢厚治のフォームは優れているかと。
まとめると、
「肩から始動し、重力を利用して最小限の振幅でストロークをする」という、ゆずハイブリットフォームを僕は推奨します!
紹介したギタリスト身体論は、「小指不要説」など大胆な内容も含まれていますが(笑)面白いですので、フォームに悩むギタリストは要チェックです。
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