この記事を読んでいる貴方は、前十字靭帯を完全断裂もしくは部分断裂し、
心に深い悲しみを負っているはずです。
「ブチッ」
僕の膝の靭帯が切れたとき、
骨が折れたかのような音が耳腔に響きました。
10年以上も前の話です。
人生のどん底に落とされたような絶望感を味わいました。
MRIの結果をすがるような気持ちで待ち、完全断裂が判明。
一度は保存療法を選ぶも、再受傷。
結局手術を選択しました。
手術をして日常生活に支障はなくなりましたが、
時折膝の裏に鈍痛が出たり、運動機能が戻っていなかったり。
後遺症が残っています。
また、怪我した時の痛みを考えると、激しい運動は二度とする気は起きません。
元々体育会系だった自分からすると、
最大の武器を失ったと言えます。
子供の運動会などでも活躍することは出来ないですし、
「昔パパはハンドボール部でエースだったんだぞ!」
なんて自慢しても、何も伝わらないと思います。
怪我していなかった未来を夢想して、
昔はブルーな気持ちによくなりました。
でも今は「怪我して良かった」までは言いませんが、
「そんなに悪くないな」と思えます。
ちょっとしたマインドセットや心掛けで、人生は変わります。
簡単なことです。
怪我をして「得をしたな」と思えることを増やせば良いのです。
この記事では、僕が前十字靭帯を断裂して得したことを書いてみます。
① 体のメンテナンスの重要性に気が付いた
手術により膝の柔軟性が失われ、身体の筋力バランスも大きく崩れました。
医者からは、「将来膝への負担が出るから絶対太らないように」とも、言われました。
怪我をして以来、僕はストレッチを欠かさないようになり、
マラソンも始め、怠惰な生活とは無縁になりました。
怪我をしなければ、人生単位で見ると、より不健康だった可能性があるわけです。
怪我の功名というコトワザがありますが、
まさにその通りだと思います。
人間痛い目に合うことで、初めて分かることがあるのです。
② 燻っていた音楽を真面目に始めた
これが一番大きいです。
高校生の時にギターを購入して、一人でポロポロ弾いてはいましたが、
バンドやライブは気恥ずかしさもあって、縁がありませんでした。
ただ怪我をして、やれることが減った分、
新しい活動に踏み出そうと前向きに捉えました。
足が例え動かなくても、手は動く。歌は歌える。
吹っ切れたように、新しいサークルに入ったり、ネットのメン募でバンドを組んだり、
今までの自分じゃ考えられない程の行動力が出ました。
転勤をきっかけに結婚に踏み切る?ようなものですかね。
怪我したことはチャンスだ、と言い聞かせました。
③ 辛いことにも耐えられるようになった
前十字靭帯は切れた時も、もちろん痛いですが、
再建手術後のリハビリもかなり痛いです。
一切曲がらなくなった膝を、機械で強制的に曲げ伸ばしされるのは地獄です。
なかなか思うように動かない足にイライラもします。
一連の辛さを思えば、少なくとも肉体的な辛さに関しては、
余裕で耐えられるようになりました。
肉体的にも精神的にもタフになったと思えます。
…参考になったかどうかは分かりませんが、
失ったものより、これから新しく手に入れられることを想像しましょう。
思い切って、踏み出してみましょう。
もはや失うものは何もないのです。
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