どうも、pillolowです。
作曲をしていると「コードがワンパターンでパッとしない」と感じることは、結構ありますよね。
もちろんCとFとGとかだけの名曲もたくさんあります。ただ、そうは言っても曲の世界観を適切に構築するためには、コードの彩が必要だと思います。
僕もある程度自分なりのコード理論を持って作曲しています。その辺を自分の曲を使って伝えようと思います。
ということで、↓の自作曲を例として、「何を考えて、コードやメロディラインを選択したのか」ということを解説してみます。
作曲したての人の参考になれば、幸いです。
即興セッションなのでお世辞にもレベルは高くないですが、とりあえず聞いてみてください↓↓
こちらが、コード進行です
イントロ
|A B♭dim7|Bm E|A B♭dim7|Bm E|
|A B♭dim7|Bm Cdim7| E | E |
Aメロ
|A|A|E|E|F#m|F#m|F/G|E|
|A|A|E|E|F#m|F#m|F/G|E|
Bメロ
|F6|Dm7-5|A|F#|
|Bm|B♭|E|E C#7(♭9)|
サビ
|DM7|DM7|C#m7|F#m7|
|Bm7|Daug(9) E7|F#m7|Gm6 B♭dim7|
|DM7|DM7|C#m7|F#7|
|Bm7|E7(13)|A|A|
アウトロ
|A B♭dim7|Bm E|A B♭dim7|Bm E|
|A B♭dim7|Bm Cdim7| E | E |
|AM7(9)|
以下、解説です。
①イントロ
イントロは、ありがちな進行ですね。
キリンビールのCMのイメージで作ってます 笑
元々はA→Bm→Eの進行ですが、経過的ディミニッシュを挟んでいます。
この使い方はdimの一番メジャーな使い方かと思います。
ちょっとジャズっぽい?感じになります。
I→IImやⅣ→Ⅴなどの進行でいつでも使える一方で、使いすぎるとクドくなるので「ここぞ!」という時に狙って使うと良いと思います。
②Aメロ
key=AでF /Gを使っているのが、味噌です!(手前味噌)
Ⅵ♭をフック的に使うの自体は珍しくないと思いますが、ベース音をFにするとめちゃめちゃ臭くなるのを嫌って、敢えてGにしました。
AメジャースケールではGは♭7thの音ですし、Fよりは馴染みが良いと考えています。
②Bメロ
「Ⅳmの響きから始めたいな」と漠然とイメージがありました。
key=AだとDmですね。
しかし、メロディを考える中で、その次に似た響きだけど少し動きのあるコードDm7(♭5)を入れると凄くシックリきました。
なんでこんなコード使ったのか?って言うと「単純に気持ちよかった」だけなんですが、理論的に理由を後付けしてみます。
メロディ側は「お願いばっかり〜」の「か」でG音が出てきますが、Dm7(♭5)の特性音である♭5はG#です。字面では半音ぶつかってるんですね。
でもオクターブが違えば、全然問題ないです。むしろかっこいい。
というのも、メジャー7thの音って、ルートから見ると半音下の音じゃないですか?
・・・というのが、自分的には気持ちよく響いている理由と解析しています。
(コードフォーム選択で、トップ音にG#を持ってきたら話は別ですけどね・・・内声であれば大丈夫)
でベースがDで一定なのもどうかと思い、構成音は同じですがベース音をFに指定した、Fm6というコードを出だしとしました。
後はノンダイアトニックコードで特徴的な所は、B♭ですね(ディグリーで言うとII♭)
BメロではメロディでF音を多用しているのですが、全箇所で違う和音感を演出したかったので。探った結果、シックリきたのがB♭です。
Bmから半音下がっていくのが、メロディと強烈にマッチしたので採用しています。
③サビ
「サビは分かりやすい進行とメロディ」というのが信条です。
ただ「どこかフックを作りたい」という相反する思想も持っています。
というわけで、↓です。
|Bm7|Daug(9) E7|F#m7|Gm6 B♭dim7|
「ドアを開けたら〜」の「け」でD音に上がりたくなりました。
しかも経過音ではなく、比較的に音を伸ばしたく。
困った・・・
困った時に、僕はaug系を探ることが多いです。
dimは割と意識的に入れていきますが、augは結構エイヤーっすね。
で、augの中でも「分数aug」「イキスギコード」と呼ばれるコードに落ち着くことが多々あります。なんか結構使い勝手いいんですよ、こいつ。
上だとDaug(9)のところ。
ギターの押弦上、こういう構成音で僕は弾きます。
D F# A# Eという並びですが、これをF#augで捉えると【F#aug on E】という全音下をベース音に指定した典型的なイキスギコードになります。
その後一瞬E7というコードが入るのは、メロディがB音に下がってくる時に、A#が明らかにぶつかるから。
Bメロでの半音と違って、こっちはメロディの方が半音高いので、どう頑張っても不協和音です。というわけで、Bを構成音にもつE7(っぽい和音)を挟んでいます。
そして、最後のGm6→B♭dim7という流れ。
ここはぶっちゃけ基本Gdim7で良いんです。
メロディでD音が来るところでぶつからないように、構成音を半音上げてm6にしただけです。
で、同じベース音が嫌だったので、dimが自由に転回できることを利用して、ベース音を変えました。
結果的に、G→B♭→Dと動いていくので、Gmのトライアドとなって凄く自然なベースラインになっていると思います。
以上、実際に作曲しているときに考えていることを書いてみました。
最後によくありがちな「コードとメロディどっちが先ですか?」という質問に答えると、詞とコードとメロディを平行して作ることが多いです。
どうでもよい進行のところはいいのですが、凝りたい箇所は、言葉の響き、メロディの響き、コードの響き、勘案して考えています。全てが一致しないと意味ないので。